SDGsとWPG

 私たちが日本国内でワールドピースゲームの活動を始めたちょうど同じ2015年9月、ニューヨーク国連本部において「国連持続可能な開発サミット」が開催されました。
その成果として作られたものが、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」です。
150カ国を超える国の代表者が集まり宣言と、目標が制定されました。それが、MDGsの後継とされる17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)です。

今から約40年前、1978年に作られたワールドピースゲーム(以下、WPG)は、世界の課題解決を目指すシミュレーションゲームです。そこで取り扱われている課題には、気候変動(目標13)や海底生物の問題(目標14)、貧困問題(目標1)、エネルギー問題(目標7)など、SDGsの目標として掲げられている多くを含んでいます。
 WPGの課題は、時代とともに改良が続けられており現在(2019年3月)参加する子どもたちが取り組むのはver.14です。この中には、難民問題(目標10)、そして水の問題(目標6)が加えられています。これらの問題は日本に住んでいるとなかなか身近なものとして捉えにくいとされているものもWPGを通して自分の問題として対峙し、解決に向けて取り組むことができます。
 さらに、目標の17は「パートナーシップで目標を達成しよう」ですが、WPGでは、全ての国、機関が4人で編成されているため一人で課題を解決するのではなく、チームのメンバーと知恵を出し合うことや、協力することが大切です。また、「(どこか一つの国だけでなく)全ての国がスタート時よりも資金が増えていること」が勝利の条件であるがゆえに、最初は、自分の国や機関のことばかりに目が向いていた子どもたちもいつの間にか、「全員で勝利するにはどうすればいいのか」と考え始め、参加者全員で協力し取り組み始めるのです。

 2016年12月に開催したWPGの際には、国連広報センターの方に来ていただく機会があり、子どもたちからの質問に答えていただいたり、「子どもたちが取り組んでいる”クライシス”がまさに今世界のいろんな場所で起こっていて、それらの問題は1つではなく、複雑に絡み合っていること。だから今、国連でもSDGという17の持続開発目標を掲げ取り組みを始めた」というお話をしていただきました。

SDGsは私たちが取り組むべき大きな目標ですが、その解決に向けてできることのひとつがこのWPGを広げることではないかと強く信じています。そして、まさに今の子どもたちが大人になる頃、WPGに参加した子どもたちが一人でも、その課題解決に貢献する一人として活躍してくれることを強く祈っています。

ワールドピースゲーム・プロジェクト
代表 谷口真里佳
2019年3月2日

SDGSの17の目標(国連広報センター)